ダニがもたらす人の病気
スポンサードリンク
ダニがもたらす人の病気について
ダニがもたらす人の病気の種類
ダニがもたらす人の病気:疥癬(かいせん)

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生するためにおこる病気です。
疥癬(かいせん)の症状として、激しい痒みがあり、指、わきの下、腹、陰部などの皮膚の柔らかい部分に小さな水疱や疥癬トンネルと呼ばれる線状の発疹などができます。
疥癬(かいせん)の症状は湿疹や皮膚炎と似ていますが、ステロイド剤は逆効果なので専門医による診察を受けてください。
疥癬(かいせん)の主な感染経路は人と人との接触ですが、寝具などを介して感染する場合もあるので、一人に疥癬(かいせん)の症状が出た場合は家族全員の治療が必要となります。
老人ホームや養護施設等の集団生活をしている施設では、疥癬(かいせん)の集団発生の可能性があるので注意が必要です。
ダニがもたらす人の病気:ノルウェー疥癬(かいせん)
ノルウエー疥癬(かいせん)とは、普通の疥癬(かいせん)よりも桁違いに多いヒゼンダニが感染した、疥癬(かいせん)の重症型です。
通常の疥癬(かいせん)のヒゼンダニの数は、多くても1,000匹程度といわれているのに対し、ノルウエー疥癬(かいせん)のヒゼンダニの数は100〜200万匹になるともいわれています。
ノルウエー疥癬(かいせん)の症状としては、皮膚の角質が増えて重なり合い、触るとボロボロと落下します。
この落下した角質には多数のヒゼンダニがおり、集団発生の感染源となります。
ノルウエー疥癬(かいせん)の方は、もともと加齢による免疫力の低下や運動機能の低下などの基礎疾患があり、ステロイド剤の投与やホルモン剤の投与などが影響している場合もあります。
ノルウエー疥癬(かいせん)の感染拡大防止には、早期発見と、家族や同じ所で寝泊りした無症状の人も検査を行ない、適切な処置をする事が望まれます。
ダニがもたらす人の病気:ダニ媒介性脳炎

ダニ媒介性脳炎は、フラビウイルスというダニ媒介性脳炎ウイルスがマダニを介して感染します。
人が直接マダニに咬まれて感染する他、感染した家畜の生乳を飲む事により感染する場合もあります。
ダニ媒介性脳には、ロシアや極東地域のロシア春夏脳炎とヨーロッパ地方の中央ヨーロッパ脳炎がよく知られています。
マダニによるロシア春夏脳炎の症状は、頭痛、発熱、悪心、嘔吐などから、やがて脳炎へと進展します。
ロシア春夏脳炎は致死率が20〜30%程度で、回復しても多くの場合で弛緩性麻痺を含む神経学的後遺症が残ります。
中央ヨーロッパ脳炎はロシア春夏脳炎に比べて症状が比較的軽く、致死率は1〜5%程度です。
ダニ媒介性脳炎の感染を防ぐには、マダニが活動する時期に森林などに入らないのが最善ですが、やむを得ない場合には、長袖シャツ、長ズボン、靴、手袋などを着用して肌を露出させない事が肝心です。
また、家畜の生乳は飲まないようにし、十分に加熱殺菌してから飲むようにする事が肝心です。
ダニ媒介性脳炎は、我が国でも1993年に北海道で女性の患者が確認されています。また、2001年にはオーストリアへ旅行した日本人男性が発症し死亡しています。
近年、ロシアやヨーロッパ各地へ旅行したり滞在したりする日本人が増えている事から、該当地へ出かける場合には、ダニ媒介性脳炎に関する知識を持ち、できればダニ媒介性脳炎予防用のワクチンを接種する事が望まれます。
ダニがもたらす人の病気:ツツガムシ病

ツツガムシ病は、ダニの一種であるツツガムシによってオリエンティア・ツツガムシ(Orientia tsutsugamusi)菌が媒介されて発症します。
ツツガムシ病の初期症状は風邪やインフルエンザに似ていますが、やがて38℃以上の高熱を発し、その後に発疹や紅斑が全身に現れます。
また、皮膚には特徴的な(中心部が黒く、その周辺が赤く腫れる)ダニの刺し口がみられます。
ツツガムシ病は早期に発見して適切な治療を行えば軽快しますが、治療が遅れた場合には重症化して死亡する事もあります。
ツツガムシ病を予防するには、ツツガムシに刺されないようにする事が最も重要で、レジャー、山菜取り、農作業等で山林や野原に入る時は、長袖の上着、長ズボン、長靴、手袋などを着用して素肌の露出を避ける事が肝心です。
なお、山林や野原に入って1〜2週間後に発熱や発疹の症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診して、山林や野原に入った事を医師に告げて検査、治療を受けてください。
ダニがもたらす人の病気:ライム病

ライム病は、1975年にアメリカ合衆国コネチカット州のライム地方という所で発見された事から、ライム病という名前がつきました。
ライム病は、マダニの体内に潜むボレリアという細菌が、マダニに咬まれた事により体中に侵入して発症する病気です。
ライム病は主な症状として、疲労感、悪寒と発熱、頭痛、角膜炎、関節炎、多発性神経炎、不整脈、髄膜炎、脳炎などの幅広い症状が出るために、インフルエンザやかぜと間違えられる事もあり、症状だけからライム病だと診断する事は困難です。
このため、山で樹木が多い場所を歩いたり茂みの中に踏みこんだりして、ダニに咬まれたと気付いた時は、そのダニを保管しておく事が大切です。
ライム病の感染は、マダニに1日以上咬まれた状態で起こるとされているので、外出先から戻られた時は、早めにダニに咬まれていないかをチェックして下さい。
もし、ダニの咬まれている事に気付いた場合は、できるだけ皮膚に近い部分をピンセットなどで掴み、ダニを真っ直ぐに引き上げます。
この時に、ダニの体を強くつまむと、ボレリア菌が体内に入ってしまうことも考えられますので、ダニをつぶさないようにして引き離して保存します。
数日から数週間して、ダニに咬まれた部分を中心にして輪状に広がる紅斑(遊走性紅斑といいます)が出たり、発熱、倦怠感などの症状が出た時はライム病の疑いがあるので、保存していたダニを持って病院に行きましょう。
ライム病の一番の予防はマダニに咬まれない事なので、森林などを歩く際はズボンの上に靴下をかぶせたりするなど、足首からふくらはぎにかけて露出しないようにして、ダニの侵入や付着を防ぎましょう。
また、ダニが付いていないかを確認しやすい明るい色の服を着るようにして、休憩する時などにお互いにダニが付いていないかを確認すると良いでしょう。